「だからさ、いきなり開けなー」
健の顔を見ると、なんだかすごく怒っている。
いやいや、怒りたいのは私の方だし!
健は無言で私の後ろに回り、ベッドに座った。
「な、なによ…」
鏡越しに健を見て、会話を続ける。
「お前さ、今からどこ行くんだよ」
「あんたに関係ないでしょ!てか、勝手に入ってこないでよ」
「デートだろ?はるとくん?どんなやつ?」
私はびっくりして振り返った。
「なんで知ってんの?」
「お前、自分で言ってんじゃん。それに、桐谷から聞いた。一か月前から付き合ってんだって?」
ハッとした。
そう言えば、お昼にTERAで怒った勢いで自分で名前口にしたんだった…。
それに、夏美も余計なことを…。

