渋谷公会堂に到着すると、たくさんの人で賑わっていた。



「…すごいね、健くん…」

「…ああ。ついにやったなあいつ…」


祐樹くんと渋谷公会堂前の道路の入口に貼ってあるデビューLIVEのポスターを茫然と見つめていると、


「夏美ちゃん!祐樹くん!」


と、呼ぶ声がした。





振り向いたその先には、柏木さん、晴人くん、茂さん、真琴のお母さんが居た。


「みんなー!」

みんなの姿に思わず声を上げた。

「ご無沙汰してます!」

祐樹くんが頭を下げる。

「夏美ちゃん、祐樹くん、久しぶり!!」

絵里さんがにっこりと笑っていた。

「まことちゃんも大きくなったねー!」

真琴のお母さんがまことの頭を撫でて微笑んだ。

「はい、おかげさまで」

「なんか、祐樹くんに似てきたんじゃない?」

絵里さんの言葉に祐樹くんがデレデレになった。

「女の子はお父さんに似るからなー」

茂さんの言葉にため息を吐いた。

「性格までそっくりです。残念ながら」

晴人くんが私の言葉にフッと笑った。

「は?なんだよ?夏美ー。残念って」

「はいはい、痴話喧嘩は後にして、行きましょうか」

真琴のお母さんの言葉にみんながうなづいた。



こうして、みんなで会場の入口へ向かった。