真琴は、入り口の近くに居た俺を押し退け、店を出ていった。 つか、はるとって誰だよ? 知らねーぞ。 「健くんさー。真琴の気持ち全然分かってないよね」 桐谷は、呆れながら、少し俺に怒ってる。 「真琴は、健くんが仕事探さないから怒ってんじゃなくて、何も話してくれないから、怒ってんじゃないかな?急に帰ってきて、何も話さないっておかしいよ」 ……。 何も言えない。 その通りだ。 でも、まだ俺は…。 真琴に話したくない。