10年後も…〜song for you〜


ドキドキしながら、シャワールームから出ると、健はバルコニーでギターを弾いていた。


「健、シャワーいいよ」

健は頷きながらも、演奏をやめなかった。

ベッドに腰掛けて、健の演奏に耳を傾けた。



そうして、そんな健の姿を見つめながら、私はいつのまにか眠りについていた。








翌朝、目が覚めると、隣のベッドで健は眠っていた。


色々と余計なことを考えていた自分が恥ずかしくなり、フッと笑みがこぼれた。








そして8時になり、私は仕事に出掛けた。

健は結局起きずにぐっすり眠っている。


健は朝が昔から弱いから仕方ない。


「行ってきます」


起こさないように小声で挨拶をして部屋を出ていった。


廊下に出ると、

「よし、やるか!」


自分自身に気合いを入れた。