ドキドキしながら、シャワールームから出ると、健はバルコニーでギターを弾いていた。
「健、シャワーいいよ」
健は頷きながらも、演奏をやめなかった。
ベッドに腰掛けて、健の演奏に耳を傾けた。
そうして、そんな健の姿を見つめながら、私はいつのまにか眠りについていた。
翌朝、目が覚めると、隣のベッドで健は眠っていた。
色々と余計なことを考えていた自分が恥ずかしくなり、フッと笑みがこぼれた。
そして8時になり、私は仕事に出掛けた。
健は結局起きずにぐっすり眠っている。
健は朝が昔から弱いから仕方ない。
「行ってきます」
起こさないように小声で挨拶をして部屋を出ていった。
廊下に出ると、
「よし、やるか!」
自分自身に気合いを入れた。

