到着ロビーに出ると、真琴は会社の人を見つけた。
「ちょっと待ってて、挨拶してくる」
真琴が会社の人と話している姿を少し離れた場所で見ていると、さっきまでの表情は消え、キリッと固くなった。
その瞬間、真琴が社会人になったことを実感した。
そして改めて、仕事の為に沖縄に来たことを実感させられた。
気持ちを切り替えようと思った。
どんな理由であれ、真琴とこうして沖縄に来れただけでも嬉しいことだ。
俺は深呼吸をした。
しばらくして、真琴が戻ってきた。
「ごめんね。待たせて」
「もう大丈夫なのか?」
「今からホテルに荷物置いたら、沖縄の支店に行かなくちゃいけない。そこで15時には打ち合わせがあるって」
「そっか、じゃあ急がないとな」
腕時計で時間を見ると、もうすでに13時を過ぎていた。