「やっぱりね。10時からここに来て、時間潰してたんだ」
そう言って真琴が、深いため息をついた。
「いや、ほらあれだよ。ほら…まだ帰国したばっかで、時間の感覚おかしくて、頭ぼーっとするからさ…ほら、何つったっけ?」
慌てて言葉が出てこない。
ちくしょう…
「時差ボケ?」
無言のままの真琴に代わり、桐谷が答え
てくれた。
「そう!時差ボケ!なんか頭痛くてなー」
「ふーん。昨日、ゲームで8勝したやつ誰だっけ?」
うっ、墓穴を掘った…。
「まあまあ、真琴。健くん、昨日帰国したばかりでしょ?もう少し、落ち着いてから仕事探しても…」
おー!ナイスフォロー!!
そうだよ。桐谷の言うとおりだ。

