10年後も…〜song for you〜


「あたしは、健がいつか大きなステージに立って、唄ってる姿を見るのが私の夢なの。病気なんかで諦めて欲しくない。ギターを奏でる健があたしは一番好きだし、一番輝いて見えるんだよ」


「…真琴」


「それに、何もしないで居るより、好きなことして楽しんでいた方が病気にだって負けない気がする!」

「そうだよな。なんか俺…今まで何考えていたんだろ…。やっぱお前はすげーよ!」


健が笑顔になった。


健へのこの励ましは、自分自身への言葉でもあった。



病気なんかで、健の夢は絶対につぶされたくなかった。



「健の歌も曲もあたしは大好きだから!夢はきっと叶う!夢を現実に変えて行こう!」


「ああ。ありがとう。お前が居てくれて本当によかった…」


そんなことを健がまた言うもんだから、また泣きそうになったので、


「でしょ!あたしってイイ女でしょ?惚れ直した?」



冗談を言って、涙を追い払った。