「あたしは、健がいつか大きなステージに立って、唄ってる姿を見るのが私の夢なの。病気なんかで諦めて欲しくない。ギターを奏でる健があたしは一番好きだし、一番輝いて見えるんだよ」
「…真琴」
「それに、何もしないで居るより、好きなことして楽しんでいた方が病気にだって負けない気がする!」
「そうだよな。なんか俺…今まで何考えていたんだろ…。やっぱお前はすげーよ!」
健が笑顔になった。
健へのこの励ましは、自分自身への言葉でもあった。
病気なんかで、健の夢は絶対につぶされたくなかった。
「健の歌も曲もあたしは大好きだから!夢はきっと叶う!夢を現実に変えて行こう!」
「ああ。ありがとう。お前が居てくれて本当によかった…」
そんなことを健がまた言うもんだから、また泣きそうになったので、
「でしょ!あたしってイイ女でしょ?惚れ直した?」
冗談を言って、涙を追い払った。

