夏美ちゃんが息を吐いた。
「分かってます。健くんは、そんな軽い人じゃないってことは…」
「もしかして、夏美ちゃんって…」
「実は出会った頃、好きだったんです」
「そっか…でも、あたしも夏美ちゃんもやっぱり真琴ちゃんには敵わないんだよね。健が自然体で居るのは、真琴ちゃんの前だけだもの」
「はい。2人は見えない絆みたいな物がある気がします」
夏美ちゃんの言葉に大きく頷いた。
ほんと…
2人には深い絆がある。
「柏木さん、やっぱかっこいいです」
夏美ちゃんがにっこりと笑った。
私も笑顔になった。
「ありがとう。あ、ひとつ聞いていい?」
「はい」
「健、帰国した後、真琴ちゃんの家に住んでいるんでしょ?」
「え!?あ、まぁあ実は…」
夏美ちゃんが気まずそうな顔をした。
「いいの。なんとなく分かってたから。祐樹くんの家に住んでるって言ってたけど花見の時、祐樹くんとは別々に来てたし、あの時なんかみんな隠すような様子だったし」
「すみません…なんか」
「もうあの時から別れる決意してたからいいの」
「え?」
夏美ちゃんの目が丸くなった。