10年後も…〜song for you〜


「それと…あの…」

小声で、少し赤くなる真琴ちゃん。


「もしかして?」

相談を受けていたから、すぐに分かった。


「はい。彼と付き合うことになりました」

「そっかぁ!おめでとう」


廣川くんがあの日と同じく、深いため息を吐いた。


そうだよね?


やっぱショックだよね?



なんだか少し同情してしまった。


「それで、今から彼と…で、デートなんです。なんか緊張しちゃって」

「それで、廣川くんも連れてきたの?」

「ま、まさか!違いますよ。健…彼の顔を見たいってうるさくてついて来たんです。絵里さんからも言って下さいよ。そういうの迷惑だって。そう思いません?」

「うるせー。お前、男見る目ないから、俺がチェックしてやる」

「もうバカ!健は、あたしのお父さんなわけ?」


廣川くんは、なんだか強がっているみたいだった。