「いきなり来てごめんな」

「ううん。大丈夫」


2人とも、公園のベンチに座った。


「晴人くん、ごめんね。連絡出来てなくて…」

「いいよ。桐谷さんに事情は色々聞いたから…」

晴人くんは、深く息を吐いた。


「大変だったね、真琴。俺もびっくりした」


「…うん」


小さく頷いた。


晴人くんの顔が見れなくて、俯いている私に晴人くんが私の背中を撫でた。



晴人くんの優しさに胸が痛む…。



「なぁ真琴…」


晴人くんはゆっくりと立ち上がり、私に背中を向けて一歩前に出た。



前を向いたまま晴人くんはゆっくりと口を開いた。


「やっぱり俺が思ってた通りだったね。俺なんかが2人の仲に入れないんだ」


晴人くん…。


「こんな時に言う事じゃないことは分かってる。けど、やっぱ悔しいな…」


晴人くんがゆっくりと振り向いた。


晴人くんは、切ない悲しい顔をしていた。



「真琴、成人式で再会した時のこと覚えてる?」



…覚えてるよ。




私は頷いた。



「あの日…真琴に声かけたから、真琴とこんな風に付き合えたんだよね?」


「うん…そうだったね」


晴人くんは、フっと笑った。