10年後も…〜song for you〜


2時間後、貧血で倒れてしまった私は目を覚ました。




お母さんに叩かれた右頬の痛みが現実に引き戻した。




しばらく沈黙が続いた時、



「真琴、目を覚ましたのね」

「真琴大丈夫か?」

夏美と祐樹くんが安堵した表情で顔を出した。



「ただの貧血だもん…」


「真琴。お前まで倒れてどうすんだよ。おばさんに心配かけんなって」

祐樹くんが息を吐いた。


その時、ハッとして祐樹くんの腕を掴んだ。




「祐樹くんは知ってたの?健の病気のこと?!」


私の余りの勢いに、お母さんも夏美も慌てて、詰め寄ってきた。



祐樹くんは、ゆっくり首を横に振った。


「知らねぇよ…俺も。くそったれが…」


祐樹くんの目が赤くなっているのが分かった。





そうだよね…




悲しいのは、あたしだけじゃないんだよね…?