2時間後、貧血で倒れてしまった私は目を覚ました。
お母さんに叩かれた右頬の痛みが現実に引き戻した。
しばらく沈黙が続いた時、
「真琴、目を覚ましたのね」
「真琴大丈夫か?」
夏美と祐樹くんが安堵した表情で顔を出した。
「ただの貧血だもん…」
「真琴。お前まで倒れてどうすんだよ。おばさんに心配かけんなって」
祐樹くんが息を吐いた。
その時、ハッとして祐樹くんの腕を掴んだ。
「祐樹くんは知ってたの?健の病気のこと?!」
私の余りの勢いに、お母さんも夏美も慌てて、詰め寄ってきた。
祐樹くんは、ゆっくり首を横に振った。
「知らねぇよ…俺も。くそったれが…」
祐樹くんの目が赤くなっているのが分かった。
そうだよね…
悲しいのは、あたしだけじゃないんだよね…?

