「俺は…」 健の心臓の音がさらに早くなった。 そして、 「お前が好きだ。世界中の誰よりも」 その瞬間、また一気に涙が溢れ出した。 「親父とお袋が亡くなった日から…俺はずっとお前が好きだった」 う、うそ…? そんな前から? 信じられない… だって…健は、絵里さんとか他にも付き合っていた人がいたじゃない… うそでしょ? 「健…本当なの?」 その言葉に、健がゆっくりと抱きしめていた手を放して、私から離れた。 真っ正面に目が合うと少し照れ臭くなった。 健の目はいつになく真剣だった。