携帯電話のボタンを押そうとした瞬間、 ーピピピッ! 携帯電話が鳴った。 健!? と一瞬思ったが、ディスプレイの表示は、祐樹くんからの着信だった。 『真琴!健は!?』 祐樹くんの第一声に、健が祐樹くんの所に居るかもしれない期待は裏切られた。 「祐樹くん…た、健が居なくなっちゃった…」 祐樹くんの声を聞いた瞬間、張り詰めていた糸が切れて涙が一気に溢れ出した。