「健くん、住むとこ見つけたのかしら?こんなお金要らないのに…」 お母さんの言葉に、私は首を横に振った。 「ちがう。住むとこが見つかったから出て行ったんじゃないよ…健は…」 「え?」 お母さんが不思議そうな顔をした。 「健は…黙って出て行くようなやつじゃないでしょ?」 「じゃあ、どうしてこんな?」 落とした写真立てを拾って、健の顔を見つめる。 健は… こんな風には出て行かない。 健は…居なくなっちゃったんだ…