「健…?ねぇ健?」 ノックしても、何も返事がない。 ね、寝てるだけだよね? この胸騒ぎは気のせいだよね? 扉をゆっくりと開けてたら、 「なんだよ?まだねみーから、起こすなよ」 と、不機嫌そうに言う健の姿が… そこには無かった。 部屋を見渡すと、言葉を失い某然と立ち尽くした。 そこには、健の姿も無く… 健の荷物もすべて無くなっていた。 ーガチャンッ! 指の力が無くなって、写真立てを足元に落とした音が鳴り響いた。