10年後も…〜song for you〜


「ごめん。絵里…俺は最低だよ。お前をこんな風に傷つけてる」


「謝らないで…あたしも、気付いてて健のそばに居たの。あたしは、幸せだったんだよ。この3年間…たくさんの想い出もらったし…真琴ちゃんを一途に想い続けてる健だからこそ好きになったの」


絵里がうつむく俺の顔を覗き込んだ。


「絵里…ありがとう。俺も絵里と過ごした3年間は、本当に幸せだった。絵里、信じてくれ…。俺は、絵里が偽りじゃなく好きだったのは本当なんだ!幸せにしてあげたいって思ってたのに、幸せにしてあげられなくてごめんな。」


「あたしは、十分幸せだった。今の言葉で想い出に変えられるから」


絵里が優しく笑った。





こんなに素敵な女性を…




俺は…




「やだな…健まで泣かないでよ」

絵里の言葉にハッとした。



気付けば、俺の頬に涙が伝っていた。



「廣川健!」


突然絵里が名前を大きく叫んだ。