「ごめん。絵里…俺は最低だよ。お前をこんな風に傷つけてる」
「謝らないで…あたしも、気付いてて健のそばに居たの。あたしは、幸せだったんだよ。この3年間…たくさんの想い出もらったし…真琴ちゃんを一途に想い続けてる健だからこそ好きになったの」
絵里がうつむく俺の顔を覗き込んだ。
「絵里…ありがとう。俺も絵里と過ごした3年間は、本当に幸せだった。絵里、信じてくれ…。俺は、絵里が偽りじゃなく好きだったのは本当なんだ!幸せにしてあげたいって思ってたのに、幸せにしてあげられなくてごめんな。」
「あたしは、十分幸せだった。今の言葉で想い出に変えられるから」
絵里が優しく笑った。
こんなに素敵な女性を…
俺は…
「やだな…健まで泣かないでよ」
絵里の言葉にハッとした。
気付けば、俺の頬に涙が伝っていた。
「廣川健!」
突然絵里が名前を大きく叫んだ。

