「じょ、冗談やめてよ…やだなぁ、晴人くん。健があたしを好き?あたしが健を好き?そんなことあるわけないじゃないっ!おかしいなー」


冗談じゃないことくらい分かっていたけど、私の口から自然と出て来てしまった。

そんな私に晴人くんは、悲しそうに笑った。


その表情を見ると、胸がすごく痛くなる。



「健は、絵里さんともう3年も付き合ってるんだよ!?今日もずっと隣同士で居たし…て、手だって繋いで居たの見たし…」



私は、ハンドルを握ったままの晴人くんの左手に自分の右手を添えた。



「あたしは、今こうして…晴人くんの隣に居るよ。あたしの気持ちは、晴人くんにあるの。これは、偽りなんかじゃない。好きだから」


晴人くんの目をじっと見つめた。




そうだよ…。





あたしが健を好き?




そんなことはない!





あたしは、晴人くんが大好きなんだよ?





優しくて、あったかい…




包みこんでくれる、晴人くんが大好きなの。