「ではでは…」
祐樹くんが乾杯の指揮を取る。
「えー…真琴!」
突然名前を呼ばれて身体がビクっとなった。
あ、そっか。
就職祝いって言われてたっけ?
「就職おめでとー!そして、健!なんかよくわかんねぇけど、日本におかえり!乾杯ー!!」
なんだかよく分からない乾杯の挨拶にみんなが吹き出した。
笑いながらもみんなで乾杯した。
「うめぇ!最高!」
と、祐樹くん。
「柔らかいねー。クラッカーも美味しーい!」
と、夏美。
「ちょ、お前、肉ばっかり食ってないで、野菜も食えよ」
と、祐樹くんに健が。
「お前も、茄子食ってねーじゃん」
「うるせー」
「祐樹くんの言うとおり。健、私の茄子あげるね」
「げ、絵里までそんなこと言うなよ」
みんな和気あいあいとバーベキューを楽
しんでいる。
みんなの笑顔を見ているだけで、なんだかすごく嬉しかった。
「写真ばっかり撮ってるけど、ちゃんと食べてる?」
晴人くんが、焼けたお肉や野菜が盛ってあるお皿を私に渡した。
「食べてるよ。さっきも、もっと太れって、健にお肉たくさんもらったよ」
「真琴は、確かにもう少し太った方がいいな」
「え?知らないの?お腹タプタプだよ」
そんな私の言葉に晴人くんがニヤニヤして、
「今度、2人きりの時に見せてもらうから」
っと、耳元で囁かれた。
うわぁ〜!
それって、そういう意味だよね?
一気に身体が火照ってきた。
「ちょ、やだ。もう!」
私は、晴人くんの腕を叩いた。
「真琴また耳が真っ赤だ!」
そう言って、晴人くんはいたずらっぽく笑っている。