10年後も…〜song for you〜


真琴は、俺と目が合うと気まずそうに視線をそらした。

手を握っていたことに気付いたのか?


なんでこういうタイミングで振り向くんだよ…。



真琴は前に向き直し運転しているはるとを見ている。



「晴人くん?どのくらいかかるの?」

「一時間ちょっとかな?あ、着く前に近くのスーパーでバーベキューの材料買わないと。でも必要な道具はほとんど揃っ
てるんだ」


「そっか」


2人の会話が耳に入ってくる。







絵里は、俺が手をはねのけてしまったから、ショックだったのか、ずっと黙っている…。


窓から外をぼーっと眺めている。


後ろの2人は、くだらないクイズを言い合いながら、完全浮かれモード。


前の2人はお互い目を合わせながら、微笑んでいて甘いムード。



俺たちは、お互い窓の外をぼーっと眺めているだけ。




絵里をまた傷つけた…。





自分への怒りを通り越して呆れていた。