「ん?どした?」 「ううん。なんでもない」 絵里は、首を横に振り、俺の右手を握ってきた。 「健、身体大丈夫?なんか少し痩せた気がする」 「大丈夫だよ。痩せた?そんなことないよ」 俺がそう言ってにっこり笑うと、絵里は安堵した表情をした。 「そう。よかった…」 絵里の握っている手に力が入る。 その時、車が走り出し、 真琴が後ろを振り向いた。 俺は、無意識に絵里の手をはねのけてしまった。