次に来たタクシーを停める。
「健、乗って」
健を乗るように促すと、
「は?わざわざタクシー乗る必要なくね?もうすぐじゃん、駅」
「だから、先に健がタクシーで行って、改札口の前で降りるの!あたしは、歩いて後から合流する。これなら、一緒に来たなんてバレない」
そんな私の提案に、健は呆れたような表情をした。
「めんどくせぇな…お前やっぱバカだな」
そう言うと、私の腕を引っ張り私を無理矢理タクシーに乗せた。
「お前が、これで向かえ。俺が歩いて合流する」
健…。
私が戸惑っていると、
「運転手さん、すぐそこなんですけど、駅までお願いします」
運転手にそう伝え、健はドアを閉めようした。
「ちょっとまって!せめて、荷物だけでも…」
そう言って手を伸ばした私の手ははじかれた。

