10年後も…〜song for you〜


次に来たタクシーを停める。


「健、乗って」

健を乗るように促すと、

「は?わざわざタクシー乗る必要なくね?もうすぐじゃん、駅」

「だから、先に健がタクシーで行って、改札口の前で降りるの!あたしは、歩いて後から合流する。これなら、一緒に来たなんてバレない」


そんな私の提案に、健は呆れたような表情をした。

「めんどくせぇな…お前やっぱバカだな」

そう言うと、私の腕を引っ張り私を無理矢理タクシーに乗せた。

「お前が、これで向かえ。俺が歩いて合流する」




健…。



私が戸惑っていると、

「運転手さん、すぐそこなんですけど、駅までお願いします」

運転手にそう伝え、健はドアを閉めようした。


「ちょっとまって!せめて、荷物だけでも…」

そう言って手を伸ばした私の手ははじかれた。