私も思わず立ち止まった。 健から、視線を反らし桜を見て答えた。 「ようは、気持ちの持ちようってこと。大好きな人と見れば、桜も笑ってるように見えるし、ひとりだとちょっと寂しく見える。悲しいことがあって桜を見ると、桜も一緒に泣いているようにも見える…」 桜から健の方に視線を戻すと、健は相変わらず真剣な顔をして私を見つめる。 健…? なんかいつもと違う気がする…。 「今は?真琴には、どう見えてる?」 「え?」 今は…。 どうだろうか?