家を出て、2人で駅へと歩き出した。
公園の横を通り、桜並木道を通る。
公園もこの道の桜も満開だ。
さっそく満開の桜をカメラに収めた。
健は、となりでニヤニヤしている。
「なによ?」
「お前さー。写真何枚撮れば気が済むわけ?」
「うるさいな。イイじゃん。毎年、ここの桜は撮って記念にしてるの。同じ桜の木でも、毎年咲き方が違うんだよ」
「ふぅーん。俺には一緒に見えるけど…?」
「まぁ、誰と見るのかでも違ってくるけどね」
そう言った瞬間、健が立ち止まった。
「それ?どういう意味?」
健が真剣な目をして、私を見た。

