「置いてかないでよーもう」
顔を膨らませて、冗談っぽく怒った。
「 …電話してたじゃん。もう済んだのか?」
明らかに、健は機嫌が悪い。
「甘い声して、気持ちわりーよ」
「はぁ〜?そんな声してません!なによ」
もう一度健の背中を叩いた。
「健だって、さっき絵里さんに会いに行ったんでしょ?ちゃんと話した?」
健が急に立ち止まった。
やばい。
また喧嘩になる…。
健が私を睨んだ。
健の平手が私の頬に近づく。
叩かれる!
っと思ったけど、違った。
健は、私の右頬をつねった。
「ばーか」
舌を出して、それだけ言うとまた歩き出した。
は?
なんなの?
意味わかんないんですけど?