俺の深いため息に、絵里が悲しげな顔をする。 「健…あたしは正直、ホッとした。アメリカに行くなんて、無謀だと思ってた。健のギターは好きだけど、やっぱり現実はそう上手くいくもんじゃないでしょ?」 そっか…。 絵里は最初から、音楽の夢を応援してくれていたわけじゃないのか…。 でも、絵里は正しい。 いつまでも、夢を見るなんて馬鹿げてるよな? 俺は、唇をギュッと噛み締めた。