「あ、あの写真覚えてる?あれはね、付き合い始めた頃に始めて、日帰り旅行した時の写真だよ。箱根行ったの覚えてる?」 絵里もお茶を置いて、テーブルに座った。 「覚えてるに決まってんじゃん。一緒に温泉行ったな」 「うん…」 絵里が俺をじっと見つめる。 俺は、つい目をそらしてしまった。 「部屋、綺麗にしてんな。引越し以来だ」 目のやり場に困った俺は、周りをキョロキョロ見渡した。 そんな俺に、絵里はフッと笑った。