10年後も…〜song for you〜


「大丈夫だから、心配すんな」


俺は、言葉を振り絞った。


『健、今どこにいるの?』

「TERA。昼飯食ったら帰る」

『そう。分かった。あ!帰りコンビニ寄って来てくんない?』


「へ?なんだよ。病人を足に使うのか?」


『うるさいなー。熱良くなってんでしょ?なんか無性に、肉まん食べたくなって来たから買ってきてよ!あと、プリンも!』




…なんだよ。




心配してんだかなんだかわかんねー。





まぁそれが真琴らしいけどな…。





ふっと笑みがこぼれた。




電話を切って、カウンター席に戻ると、祐樹がニヤニヤしながら俺を見てる。



「…なんだよ」


「別に〜…いてっ!」



俺は祐樹の頭をもう一度叩いた。



その瞬間、


再び携帯電話が鳴った。

俺は、また真琴だと思い込み、


電話に出てしまった。