ディスプレイに表示されている名前は、 真琴からの着信だった。 「もしもし…」 少し席を離れて、電話を取った。 『ちょっと、健!こんな雨の中どこ行ってんの?』 あいつは、第一声から声を荒げている。 「どこだっていいだろ?」 俺はぶっきらぼうに答えた。 「なんだよ。なんか用か?」 『……』 「用が無えなら切るぞ」 『…健、体調良くないんじゃないの?』 その言葉に、頭が真っ白になった。