10年後も…〜song for you〜


茂さんの言葉に、祐樹が俺の肩をポンと叩いた。


「お前が話してくれんの待ってるからな!」


祐樹の言葉に、フッと笑みがこぼれる。


「ああ。お前に一番に話すよ」

「真琴じゃなくていいのか?」


祐樹がニヤリと笑った。


こいつには、俺の気持ちなんて、とうの昔にバレてる。


「うるせーな。だったらお前には話さねえよ」

「あ、んなこと言ってっと、貸した金に、利子取るぞ!」


俺は、祐樹の頭を軽く叩いた。

「うお!慰謝料も上乗せだ」

「わめくな。うるさいな」

俺たちのふざけ合いに、桐谷も茂さんも笑っている。

「はいはいはい。…あ、茂さん。申し訳ないっすけど、俺お茶いただいていいっすか?」


目の前に置かれた珈琲を見て、俺は申し訳なく茂さんを見た。