「"はるとってやつ"、なんて呼ばないでよ」
真琴がキッと睨みつける。
「なんだよ、めんどくさ。つか、朝帰りでもしてくるかと思った」
「ば、ばか言わないでよ!晴人くんはあんたと違ってそんな軽くないの!」
真琴の顔が赤くなった。
ムカムカするな…。
ちくしょう。
「晴人くんは、あたしをちゃんと家まで送り届けようとしてくれたの!でも、あたしが断ったの。晴人くん、明日も仕事早いし」
うわぁ、なんだよ…
必死になって、はるとってやつのことかばってやがる。
「だからタクシーが出るまで見送ってくれて…それで…たまたま途中で降りたら…あんたの…健のギターの音聴こえてきたから…」
真琴が俺をじっと見つめた。

