10年後も…〜song for you〜


「"はるとってやつ"、なんて呼ばないでよ」

真琴がキッと睨みつける。


「なんだよ、めんどくさ。つか、朝帰りでもしてくるかと思った」

「ば、ばか言わないでよ!晴人くんはあんたと違ってそんな軽くないの!」


真琴の顔が赤くなった。





ムカムカするな…。


ちくしょう。


「晴人くんは、あたしをちゃんと家まで送り届けようとしてくれたの!でも、あたしが断ったの。晴人くん、明日も仕事早いし」



うわぁ、なんだよ…


必死になって、はるとってやつのことかばってやがる。


「だからタクシーが出るまで見送ってくれて…それで…たまたま途中で降りたら…あんたの…健のギターの音聴こえてきたから…」


真琴が俺をじっと見つめた。