「元々、安いギターだったから、そんなに足しにもなんなかったけどな」 黙って聞いていた真琴が、フッと笑った。 「売れてなくて良かったね。あんたの相棒でしょ?」 真琴が近づき、ギターを見つめてボディの部分を撫でながら呟いた。 「駅の近くで、健らしき姿見かけたの。やっぱあんただったんだね」 駅に居たのか… はるとって奴と…。 はるとって奴がどんなやつか顔拝みたかったな…。 あ!つーか、こいつ… 「お前さ、なんでこんな時間にここに居んだよ?」 「え?」