「よし、そろそろ帰ろう」
やだな…。
もう少し一緒に居たいな。
バッティングセンターを出ると、少し寂しさが湧き出てくる。
そんな私の気持ちを察してか、晴人くんが私を見て、ニヤと笑った。
「家来る?」
え?
晴人くんの家?
でも……。
私が、慌ててると、晴人くんがまたもいたずらっぽく笑った。
「なんて、俺もまだ一緒に居たいけど、明日も早番だしな…」
晴人くんが時計を見た。
気付けば10時をまわっていた。
そうだよね…明日も晴人くん仕事あるし、わがままなんて言えない。
「ごめん。また今度、家に来て」
晴人くんは、そう言って手を差し出した。
「帰ろう。送るよ」

