10年後も…〜song for you〜


「よし、そろそろ帰ろう」


やだな…。



もう少し一緒に居たいな。



バッティングセンターを出ると、少し寂しさが湧き出てくる。





そんな私の気持ちを察してか、晴人くんが私を見て、ニヤと笑った。


「家来る?」


え?



晴人くんの家?




でも……。




私が、慌ててると、晴人くんがまたもいたずらっぽく笑った。


「なんて、俺もまだ一緒に居たいけど、明日も早番だしな…」


晴人くんが時計を見た。


気付けば10時をまわっていた。




そうだよね…明日も晴人くん仕事あるし、わがままなんて言えない。


「ごめん。また今度、家に来て」


晴人くんは、そう言って手を差し出した。

「帰ろう。送るよ」