これから1ヵ月私、高原 依音(たかはら いおん)はこの島で生活する。



これからしばらくの間は誰にも気を遣わないで生活できると思うと、重たいカバンもとても軽く感じることができる。



でも、自分の気持ちをちゃんと整理しなければならない。そのために長い時間と、1人になれる場所を貸してもらったのだ。




「……いい風」



さっきまでは少し強めの風だったが、今は心地よいそよ風になっている。