「…颯」

「はい」

「大きくなったな」

「お蔭様で」

「沙凪を、宜しく頼むよ」

「…はい」

「沙凪を扱えるのは、この先もきっと颯くらいだろうな」


優しく微笑んだお父様は、「またな」と言ってから、

秘書の男の人と歩いて行った。