―・・・ 「…おはようございます。お父様。お久しぶりです」 「ああ、沙凪か」 「どうして今更お帰りになられたんです?」 あたしの冷たい言葉に、辺りの空気が凍る。 少し後ろに居る颯はきっと、 気まずそうに頭を掻いてるんだろうなって想像した。 「家に帰ってきちゃいけないか?」 「…家、ですか」 「何より、母様の命日だ。それに、 お前がどれだけ大きくなったのかと思ってな」 視線が注がれるのを感じたけど、 あたしは決して目を合わせない。