お嬢様の仰せのままに。




頭上から降ってきた声に、驚いて顔を上げる。

そこには、呆れた様な困った様な表情の颯が居た。


「…何で…」

「起こしに来たらいねーし、

まじびびったっつーの」


手を引かれて立たされ、額を小突かれる。


「バルコニーが開いてたから、

珍しく早起き出来たから散歩してみたけど、

広くて迷子になりましたー。ってオチかなって思って探しに来た」

「合ってます…」

「慣れない事すんなよな」


そう言いながらも、頭を撫でてくれる手は優しい。