「あっちに女でも居るんじゃない?」 「沙凪!」 「だってそうでしょ。あたし知ってる。 たまに仕事しに日本に帰ってるのに、家には帰らないんだから」 「……」 あたしがここまで捻くれた原因。 「あたしが居る家になんか、帰りたくないのよ」 「…沙凪…」 「いっそ捨ててくれた方がマシ」 あたしが言い捨てた言葉に、颯が泣きそうに顔を歪める。 見てないけど、わかる。