「沙凪、起きろ」 「…んー…」 「夜飯。広間で食う?部屋で食う?」 「…ここでいい」 「わかった」 広間で食べたって、どうせ誰も居ない。 広過ぎる部屋に広過ぎるテーブルで、 余計ひとりなんだって感じるだけ。 だから、あたしはこの家が嫌いだ。 「…最近、親父さんは?」 「見ての通りだよ」 食事中、遠慮がちに投げ掛けられた質問。