うっすら目を開けて見えたのは、見慣れた天井だった。 「…あれ?」 起こすって言ってたのに… …あのまま寝かせてくれたんだ。 颯の、そういう優しさが…小さい頃から大好きだ。 「起きた?」 「…あ、うん」 「俺、しばらく泊まるから」 「…はっ?!」 「沙凪オジョーサマの寝かせ役、起こし役」 「いらないよ!?」 「いるだろ。だってお前、俺が傍にいた方が寝れるじゃん」