降りた駅は本当に小さな駅で

古ぼけた売店がひっそりと

営業しているだけで

後は何もない駅だ。

駅周辺もこれといったものもなく

本当に田舎なんだなって思った。

「母さんって田舎育ちなんだ・・・。」

予想外だった。

駅から徒歩で20分。

バスもあったが、俺は徒歩を選んだ。

歩けば歩くほど、風景は

どんどん田舎になっていく。

駅周辺でさえ、田舎だったのに

遠ざかるとそれ以上に

田舎になっていく。

そうして歩くと、一軒の平屋につく。

表札には「橋本」と書かれてあった。