「昨日何かあった?」


「…おう」


「大丈夫か?」


「…おう」


「どーした好きな子にでも振られたか」


「くたばれ原田」


「ジョーダンだって、
そんな睨むなよ怖ぇーから」



そう言っては、ケタケタ笑いながらクリームパンを頬張る原田。

なんだよお前意外と可愛いの食うのな。



「あ、てかお前佐伯と
付き合ってるってマジ?」


「はあ? や誰だよ佐伯って…」


「まーたデマかよ。 お前も大変だな根も葉もねえ噂たてられて」


「あー、まあ慣れた。…っていうより無理やり慣れさせられた」



昔からあることないこと噂にされたから
自分ではそれが当たり前だし、気にもしない。


でも、周りはそうはいかない。

アホらし…。



「なあ。でも俺思うんだけどそういう噂たつってことは少なからず佐伯はお前に気があるんじゃね?」

「……」

「どーするよ、付き合う?」

「まさか」

「んだよ、つれねーな」



原田はそう言って笑った後
パンの袋をクシャクシャに丸めた。