まぁつまり腕に覚えさえあれば、犯罪者だろうが農民だろうが関係ない。
身分も年齢も問わず参加できるってことらしい。
それはかなり画期的な発想だった。
それと同時にそれくらい"武士"という言葉が迷走していたのかもしれないと今は思う。
だってそうだろう。
本来は、農民は刀を持っちゃならねぇんだ。
ここは幕領だから百姓でも道場に通えるが、そうもいかない場所だってたくさんある。
そんななかで誰でも構わず浪"士"にするってのは、実は物凄く危機的な状況を示していたのかもしれない。
それでもあの時の俺らにはどうしようもなく魅力的な話だった。


