皆同じようにあの動乱の中を生きていたのだ。
狂い咲きの桜のように。
全く先の見えない道なき道を、時代の流れに逆らいながら。必死に生きていた。
悪足掻きだと言われても、罵られても自分達の選んだ道を信じていた。
目まぐるしい勢いで変わっていこうとする世界。
何も変わっていないようで、何かが確実に変化していく周りの景色に、俺はついていけないまま。
通り過ぎる人たちから髷が消えていったのは、刀の音が減ったことに気付いたのはいつのことだっただろう。
無くしたものから目を逸らすように、世界は回る。
全てが終わったあの日から、俺は未だ一歩も動けずにいた。