一つでも多く持ち帰りたかった土方の遺品も生きるためにいくつか売らざるをえなくなり、涙をのんで手放した。


全ては一つ。

彼との約束を守るために。




「副長…市村鉄之助、ちゃんと任務遂行しました…っ!!」




歯を食い縛りながら胸に押し込めてきた気持ちが解放された気分だった。


一人の命を繋ぐこと。

想いを守ること。


それは十六歳の少年が背負うには重すぎた責務。


それでもそれを鉄之助に託したのは、土方の優しさだったのか。

生きることを課したのは愛情故だったのか。


涙を浮かべながら、鉄之助は空に向かって叫ぶ。