それが正しいものだったかどうかはわからない。

それでもその背中は鉄之助にとってまさに憧れであった。


鉄之助は知っている。


土方という男が誰よりも"生きる"ことを望んでいることを。


だからこそ、これから訪れる"死"を甘んじて受け入れることを。


それは散っていった誠への弔い。

散らせてしまった命への償い。


そしてそれでもなお誠を背負うために、彼はこの先の未来に生きて身を委ねるのだろう。


そんな彼がこの小さな手のひらに"生きる"ことを託しているのだということを鉄之助は知っている。