指先で紡ぐ月影歌





朝目が覚めて夜がくるたびに思う。


どうして俺は生きているんだろう、と。


同じように戦ってきたはずなのに。

何故俺は皆と同じように散れなかったんだろう。


そんな自問自答を繰り返す毎日は苦しすぎた。


堪えきれなかった苦しみを吐き出す俺をじっと見つめる土方さん。


真っ直ぐ、痛いくらい真っ直ぐに。


その瞳が何だか奥の奥まで見透かされているようで怖くて。

俺は土方さんから目を逸らし、現実から目を逸らすように酒を煽る。


その時だった。




『夢になんて、なるわけねぇだろ』




一陣の風が俺たちの間を吹き抜けた。


同時に強い強い土方さんの声が俺の心臓を貫く。

その瞳と同じように真っ直ぐ、捕らえるように。