指先で紡ぐ月影歌





慶応三年以降のことだ。

総司の体調が悪化して、第一線から退くようになったのは。


それは新撰組にとって右手をもがれたようなものだったと俺は思う。


俺と一緒で剣を握るのが好きで、恵まれた才能もあって。

年が離れていたこともあって、そんな総司を俺が弟のように可愛がったのは言うまでもない。


同時に俺にとってはいい好敵手でもあった。

総司と剣を交わすことは凄くいい刺激だったんだ。


総司が刀を握ればあの人だって打ち負かされる。


あまり見たことがないけれど、もしかしたら近藤さんだって勝てないかもしれない。

きっとまともにやりあえるのは俺や斎藤くらいなもんだろう。


それくらい、総司の剣は強かった。