指先で紡ぐ月影歌





今となっちゃ本当の理由はわからないけれど。

それでも平助は間違いなくあの場で果てた。

伊東さんたちとともに。


それは俺らにとって、とても暗い現実だった。


涙を流す近藤さんを見た。

肩を落とす総司や左之を見た。


その中で、一度ぎゅっと目を瞑り前を見据える。


乗り越えなくちゃいけない。

あったじゃないか。前にもこんなことが。

まだ此処に来たばかりの頃に。

切り換えなくちゃならねぇんだ。


あの人に頭を下げられた…芹沢さんたちの時のように。


だってあの人が、溜め息一つ見せなかったから。

だから俺はいつまでも落ち込んでいられない。


俺はまだ、生きているのだから。



悲壮感が漂った世に言う油小路の変の日のこと。