指先で紡ぐ月影歌





でも、平助や伊東さんのこともあの人が素直に首を縦に振ったとは思えなかった。


あの人が理解を示した?

そんなはずはない。


きっと納得なんてしていないはずだ。

だって俺が納得できていないのだから。


まだ、俺たちには此処でやれることが、追える夢があるはずなのに。


仲間ってそんなに簡単に離れていいものじゃないだろう?

絆ってそういうものだろう?


世間の風に流されて友を裏切るなんて、俺には理解できない。したくもない。


あの人はどんな顔をして彼らを送り出すと決めたのだろう。


そんなもやもやした気持ちを抱えたまま、俺は御陵衛士が旅立つ日を迎えた。