指先で紡ぐ月影歌





まさか、こんなにも身近なところで内部分裂が進んでいたなんて思いもしなかった。

知らないところで俺たちの歯車は着々と狂い始めていたということか。


まさか、平助がそんなことを言い出すなんて。

想像すらしていなかった。


確かに平助は伊東さんと同門の出身だ。


俺と芹沢さんがそうだったように、そういう関係には不思議な繋がりや縁が出来るもの。

信頼感とは少し違うが、言葉には表しにくいものがあるものなんだ。


江戸に隊士募集に行った際も、平助が伊東さんを引き入れたのだと近藤さんから聞いている。


だから気持ちはわからなくもない。

俺と同じように思うものがあったんだろうとも思う。